女性と死刑
数は少ないが、事情が違う
このサイトの記録に並ぶ名前は、圧倒的に男性です。死刑を執行される人の大半は世界のどこでも男性で、女性は数パーセントにとどまります。ただし、女性の事案には特有の背景が繰り返し報告されています。
妊娠中は執行されない
国際人権規約(自由権規約)6条5項は、妊娠中の女性に対して死刑を執行してはならないと定めています。これは18歳未満の者への禁止と並んで、ほぼ例外なく認められている原則です。
日本もこれに沿った規定を持っています。刑事訴訟法479条2項は、死刑を言い渡された女性が妊娠しているときは執行を停止し、出産の後に法務大臣の命令によって執行すると定めています。
日本で執行された女性
このサイトの記録にある吉田純子は、2016年3月25日に執行されました。日本では女性の執行は極めて稀で、この事案でも法務大臣は会見で事件の詳細を明かしませんでした。
日本の死刑確定者のうち女性が占める割合は、常に1割に満たない水準で推移しています。
イランで増えている
人権団体は近年、イランで執行される女性の数が増えていると報告しています。罪状としては殺人と麻薬犯罪が多く、とくに殺人事案には共通した背景が指摘されています。
夫や家族からの暴力が長期間続いた末に、加害者を殺害した事案です。人権団体は、強制結婚や児童婚を含む状況で、逃げる手段がないまま追い詰められた末の事件が含まれると報告しています。
イランの制度では、殺人はキサース(同害報復)で裁かれ、執行するかどうかを決めるのは被害者の遺族です。夫を殺害した事案では、遺族が夫側の親族であるため、赦しが得られにくいという構造があります。
米国では
米国でも女性の執行は稀です。死刑判決を受ける人のうち女性は数パーセントで、実際に執行される割合はさらに低くなります。判決から執行までの過程で、女性の事案は減刑される比率が高いという指摘もあります。
数字の見え方について
「女性の執行は少ない」という事実は、そのまま「女性に有利な制度になっている」ことを意味するわけではありません。そもそも殺人などの重大犯罪で起訴される人の性別比が偏っているためで、比較には慎重さが必要です。
このサイトは、そうした分析や統計を掲載しません。日々の記録に載るのは、確認できた1件ずつの事実だけです。
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