未成年のときの犯罪と死刑
世界で禁じられているはずのこと
国際法には、死刑についてほとんど例外なく認められている禁止事項がいくつかあります。そのひとつが、18歳未満のときに犯した罪で死刑にしてはならないという原則です。それでも、この原則を守っていない国が残っています。
2つの条約が禁じている
国際人権規約(自由権規約)6条5項は、18歳未満の者が行った犯罪について死刑を科してはならないと定めています。
子どもの権利条約37条(a)も、18歳未満の者が行った犯罪に対して死刑を科してはならないと定めています。この条約は、世界のほぼすべての国が批准しています。
重要なのは、裁かれるときの年齢ではなく、犯行のときの年齢が基準だということです。犯行時17歳で、裁判が長引いて30歳で死刑判決を受けた場合も、この禁止に触れます。
それでも執行している国
人権団体が繰り返し報告しているのはイランです。イランは子どもの権利条約を批准していますが、犯行時18歳未満だった人への死刑判決と執行が続いていると、アムネスティ・インターナショナルや国連の人権機関が指摘しています。
イランの法制度では、刑事責任を問われる年齢が男女で異なり、性別によって扱いが変わるという構造上の問題も指摘されています。
サウジアラビアも、犯行時未成年だった人への死刑判決が問題視されてきました。同国は2020年に、未成年時の犯罪への死刑を廃止する方針を示しましたが、その後も対象となる事案が残っていると人権団体が報告しています。
米国は2005年に禁止した
米国では、かつて犯行時18歳未満の人への死刑が執行されていました。しかし2005年、連邦最高裁がロパー対シモンズ事件で、犯行時18歳未満の者への死刑は憲法が禁じる「残虐で異常な刑罰」にあたるとの判断を示し、以後は執行されていません。
判決は、青少年の判断能力が成人と異なるという知見を根拠のひとつに挙げました。
日本の場合
日本では、少年法51条1項により、犯行時18歳未満の者に死刑を科すことはできません。無期刑が科されます。
一方で、犯行時18歳・19歳の場合は死刑が可能です。このサイトの記録にある関光彦は、1992年に千葉県市川市で一家4人を殺害した事件で、犯行時19歳でした。2017年12月19日に執行されています。少年時の犯行で死刑が執行された、日本では数少ない例です。
2022年の改正少年法では、18歳・19歳を「特定少年」と位置づけ、原則として成人と同様に扱う範囲が広がりました。
なぜ年齢で線を引くのか
各国の法制度や国際条約が年齢で線を引いてきた理由として、次のような点が挙げられてきました。判断能力や衝動の制御が発達の途上にあること、環境の影響を受けやすいこと、更生の可能性が成人より高いとされること。
ただし、18歳という線そのものに科学的な根拠があるわけではなく、各国の制度上の合意として置かれたものです。この線引き自体への議論は続いています。
記録との関係
このサイトの記録には、執行された人の執行時の年齢を載せていますが、犯行時の年齢は載せていません。出典に書かれていないことが多いためです。
イランの記録で20代前半の人が現れることがありますが、それが未成年時の犯行によるものかどうかは、個別の報道で言及がない限り分かりません。推測では書きません。
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